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矯正治療
矯正治療による歯根吸収とは?原因と症状、対策を解説
矯正治療は、歯並びの改善や噛み合わせの調整を通じて、健康的な口腔環境を作り出すための重要な歯科治療です。しかし、矯正治療にはさまざまなリスクも伴います。その一つが「歯根吸収」です。
今回は、矯正治療における歯根吸収について、その基本的な概念から原因、症状、そして対策まで解説していきます。
1. 矯正治療による歯根吸収とは?
矯正治療を行うと、稀に「歯根吸収」と呼ばれる現象が起きることがあります。歯根吸収は、歯根(歯の根)が少しずつ短くなっていく現象です。矯正治療中には、歯を動かすために一定の力が歯に加わりますが、その力が歯根に影響を与えることがあります。
では、歯根吸収はどのようにして起こるのでしょうか。
矯正治療では歯を少しずつ移動させるため、顎骨や歯根に力がかかります。この力が長時間にわたってかかると、歯根の一部が吸収されて歯根が短くなります。
この現象が「歯根吸収」です。特に矯正装置によって一定の方向に歯を動かし続けた場合、歯根の先端が短くなることがあるのです。
2. 歯根吸収はなぜ起こるのか?その原因
歯根吸収が起きる主な原因を以下に解説します。
①外傷があった場合
事故やスポーツによる外傷で歯に物理的な衝撃により歯根の側面が吸収して歯根が溶かされて、歯根吸収が起きる可能性があります。
外傷後には速やかに歯科医師の診察を受け、適切な処置を行うことが重要です。
➁歯周病など口腔内に問題がある場合
歯周病など口腔内に問題があると、これも歯根吸収のリスクを高める要因となります。歯周病になると顎の骨が歯をしっかり支えることができなくなりかみ合わせのバランスが崩れ、特定の歯に過度な負担がかかることで歯根吸収を引き起こすこともあります。定期的な歯科検診でこれらの問題を早期発見し、早期治療することが重要です。
また、矯正治療中に歯根吸収が起きる主な原因を以下に解説します。
①歯に矯正力が強くかかった場合
歯に強い矯正力を与えると歯根吸収が起きる可能性があります。特に、急激な歯の移動は歯に負担をかけ、結果として歯根吸収を引き起こすリスクが高くなります。
矯正治療では、歯の移動を計画的かつ段階的に行うことが重要です。
➁矯正装置を長期間装着した場合
長期間に渡る矯正装置の使用も歯根吸収が発生する可能性を高める要因の一つです。矯正治療が長期治療になると歯根周辺の組織に持続的なストレスを与えることになり、その結果、歯根吸収のリスクが高まります。
やはり計画的に矯正治療を行うことが重要です。
3. 歯根吸収の症状と診断方法
歯根吸収は早期に発見し対策を行うことが重要です。症状はしばしば初期段階では感じにくく、発見が遅れることがあります。歯根吸収の具体的な症状と、歯科医院での診断方法について詳しく解説します。
症状
歯根吸収自体は初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると以下のような症状が現れる可能性があります。
①歯の揺れやぐらつき
歯根が短くなることで、歯が固定されにくくなり、揺れやぐらつきを感じることがあります。
②歯肉の腫れや痛み
歯根吸収が歯肉に影響を与え、腫れや痛みを引き起こすことがあります。
歯科医院での診断方法
歯根吸収は視覚的に確認することは難しいため、一般的には以下のような検査を受けることで、歯根吸収の診断が行われます。
①X線検査
歯の内部構造を画像で確認できるため、歯根吸収の進行状況を把握するのに有効です。定期的にX線検査を行うことは初期段階での発見に繋がります。
②CTスキャン
より詳しい画像診断が可能で、詳細に歯根の状態を確認できます。特に歯根吸収が疑わしい場合は、CTスキャンを使用しての診断が推奨されます。
4. 矯正治療における歯根吸収の予防と対策
歯根吸収は早期発見と適切な対策が重要ですが、歯根吸収が起きないように予防することが最も重要です。
以下では歯根吸収の予防策を解説します。
①緻密な治療計画
矯正治療を開始する前には、歯科医師が緻密な治療計画を立てます。これにより、歯に過剰な力がかかったり、治療が長引いたりするリスクを避けられます。歯科医師と十分な相談を行い、自分に適した治療方法を選びましょう。
➁必ず定期検診を受ける
歯根吸収のリスクを減らすために、定期検診を怠らないことが大切です。特に矯正治療中は、一般的に毎月1回程度の検診を受けることが推奨されます。この定期健診で、早期に異常を発見し、適切な対処を講じることが大切です。
➂生活習慣の見直し
健康的な生活習慣も重要です。バランスの良い食事や規則正しい生活リズム、ストレス管理などを心がけることで、体全体の健康が口腔内の健康にも良い影響を与えます。例えば、カルシウムやビタミンDなどの栄養を適切に摂取することが、骨や歯の健康維持に役立ちます。
④矯正治療前のリスクチェック
矯正治療前に歯根吸収が起きる要因があるかどうかをしっかりと検査しましょう。歯周病などの口腔内問題があれば矯正治療前に対策することで歯根吸収の発生リスクを抑えることができます。
まとめ
矯正治療は、見た目の美しさや口腔内の健康のために重要な歯科治療です。しかし、その過程には歯根吸収というリスクも存在します。適切な治療計画や定期検診の受診、生活習慣の見直しなどによって、このリスクを最小限に抑えることが可能です。
歯の健康を長く維持するためには、日常的なケアと専門的なサポートが欠かせません。もし気になることがあれば、毎月無料相談会も実施する神田駅そば総合歯科へいつでも相談してください。
監修:平松 信旭
経歴:
日本大学松戸歯学部 卒業
東京大学医学部附属病院 顎口腔外科 入局
千葉県・東京都の歯科医院で研鑽を積む
神田駅そば総合歯科 開院